令和8年第3回定例議会(9月議会) 一般質問の記録

令和8年9月9日
議席番号8番松江秀明


冒頭挨拶


議席番号8番、新政とうかいの松江秀明です。議長のお許しをいただきましたので、通告に基づき質問いたします。

今回の一般質問では、

  1. 行政は若者のサードプレイスを創出できるのか、持続の条件を問う。

  2. 地域福祉を支える地域の担い手。

  3. そして、 地域産業の未来を担う人材育成と事業継承。

の3点について取り上げます。

これらのテーマは、
それぞれ分野は異なりますが、

その根底には、
「持続性を何で捉え、行政はその条件をどう整えるのか」という共通の問いがあると考えております。

そのため本日は、現場における対応やこれまでの取組を踏まえながら、それぞれの取組が目指す姿や、その成果をどのように捉えているのかを、
順次確認してまいります。

限られた時間ではありますが、建設的な答弁をお願いし、質問に入らせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。


7-1 行政は若者のサードプレイスを創出できるのか,持続の条件を問う


7-1-1-1 最初の質問(初問)

問1のサードプレイスの考え方の前提として、1つの体験と、そこから得た視座を共有させていただきたいと思います。
私はかねてより、横浜市の『おふろの国』という温浴施設を愛用し、そこでの体験を通じて非常に貴重な気づきを得てまいりました。
そこは単なる温浴施設ではありません。世代や属性の異なる人々が同じ空気を共有し、ロウリュの熱波とともに日常のモヤモヤを昇華させる、まさに『居ていい場所』です。

文化研究者のこばやしあやな氏は、著書『公衆サウナの国フィンランド』の中で、「利用する人々が自律的にその場の空気や心地よさを育ててきた」こと
があると述べています。つまり、真の『サードプレイス(居場所)』とは、四角い部屋というハードウェアを作るだけでは成立せず、人々の時間の積み重ねと、 自律的な関係性が醸成される『土壌』 があって、はじめて成立するものです。
今、村が取り組んでいる中高生の居場所づくり実証事業もまた、単なる学習室や待合室を作る以上の、極めて難易度の高い『文化の醸成』に挑戦していると私は捉えています。
とくに若者世代は流動性が高く、場の空気感や文化を中長期的に維持・継承していくことには特有の構造的な難しさがあります。
その困難な壁に、あえて挑もうとしているのが今回の実証事業であると、私は期待を込めて見ております。

また、村が示している「こども・わかものまちづくり」のグランドデザインでは、**「きっかけ」「こえ」「ひと」「組織」「拠点」**という段階的な発展モデルが示されております。
これは、居場所づくりが単なる施設整備ではなく、関係形成の積み重ねによって成立するものであるという認識に基づくものと受け止めております。
そこで、この実証事業が今後どのような方向を目指しているのか確認するため、以下の3点を伺います。

  1. 中高生向け居場所づくりにおいて、どのような指標によって成果や改善点を把握しようとしているのか、伺います。
  2. 村が示す発展モデルの中で、現在はどの段階にあり、実証事業を通じて次に何を目指しているのか、伺います。
  3. 次に目指すものの実現に向けて、地域の大人や支援者をどのように位置付けているのか、伺います。

7-1-1-2 答弁 <総合戦略部長>

お答えいたします。
まず1点目の“実証事業の成果の把握”についてですが,まずは,こども・わかものが安心して自分らしく過ごせることが重要であると考えております。
このため,利用者数や利用頻度,滞在時間などの利用状況に加え,満足度や再利用の意向,実際の過ごし方など,様々な視点から把握することとしております。
次に2点目の“政策の現在地と実証事業の目的”についてですが,本村では,「まちづくりの羅針盤」に掲げる“こども・わかものが活躍する,住みごこちのよい・暮らしやすいまちの実現”に向け,令和5年度から,こども・わかものとの接点や活動のきっかけづくりをはじめ,高校・大学との連携基盤づくり,理解促進のための取組みを展開してまいりました。
また,昨年度からは,こども・わかものの声を聴く仕組みづくりも開始するなど,これまでは“政策のベース・土台づくり”を推進して施策に厚みを持たせ,そして今年度から推進の基盤として「人」「組織」「拠点」づくりに着手したところでございます。
実証事業はこの「拠点」づくりの第一歩であり,まずは今年度策定する「拠点・居場所の整備方針」へ反映させていく予定でございます。
最後に3点目の,“地域の大人や支援者の関わり”についてですが,コミセンなど地域に既にある場所や活動,そこに関わる方々とこども・わかものとの接点づくりは重要なテーマであると考えておりますが,まずは,これまでの取組みの積み上げと,拠点・居場所・組織づくりを着実に取り組んでまいりたいと思います。
以上でございます。

7-1-2-1 再質問

利用者数や滞在時間だけでなく、満足度、再利用の意向、実際の過ごし方も把握し、実証結果を整備方針へ反映するとのことでした。
また、現在は政策の土台づくりから、「人」「組織」「拠点」づくりへ進み、実証事業を拠点づくりの第一歩と位置付けていることも確認できました。
一方、地域の大人や支援者については、接点づくりが重要なテーマとの答弁でしたが、今後どのような役割を担う存在として位置付けるのかは、まだ明確ではありませんでした。
居場所を一過性の実証で終わらせず、地域の中で持続させるためには、行政とユースワーカーだけで支えるのではなく、地域の大人や既存の活動がどのような役割を担うのかが重要になると考えます。
そこで再質問として、1点伺います。

  1. 今後、地域の大人や支援者を、若者との接点を提供する協力者として位置付けるのか、それとも、居場所を若者と共に育て、将来的な居場所運営を支える担い手として位置付けるのか、村の考えを伺います。

7-1-2-2 答弁 <総合戦略部長>

お答えいたします。
地域の大人や支援者については、単に若者との接点を提供する協力者ということではなく、それぞれの立場や関わり方の中で、こども・わかものとともに居場所や活動を支える存在になっていくことが望ましいと考えております。
実際に、今年度実施したユースワーカー養成講座では、受講者の中から中高生の居場所づくり実証事業のスタッフとして活動する方も出てきており、大人が実際の居場所づくりに関わる動きも生まれております。
いずれにしても、居場所の運営だけではなく、例えば、コミセンなど地域に既にある場所や活動を通じて関わる方、自分の経験や得意なことを生かして関わる方など、それぞれの立場でこども・わかものを支える様々な関わり方があるものと考えております。
以上でございます。

7-1-3-1 再々質問

地域の大人や支援者を、単なる協力者ではなく、それぞれの立場から、こども・わかものとともに居場所や活動を支える存在として捉えていることを理解いたしました。
また、ユースワーカー養成講座の受講者から、実際に中高生の居場所づくり実証事業のスタッフとして活動する方が出ていることは、担い手が生まれ始めている具体的な動きとして受け止めております。
一方で、こうした関わりを一時的な参加で終わらせず、若者、ユースワーカー、地域の大人、
既存の活動の間に継続的な関係を育てていくことが重要だと考えます。
また、このためには、実証事業終了後も、その取組を継続していく視点が重要ではないかと考えます。
そこで再々質問として、2点伺います。

  1. こうした多様な関わりを継続的なつながりへと発展させるために、今後策定する「拠点・居場所の整備方針」に、関係づくりや担い手への伴走をどのように位置付けていくのか、村の方針を伺います。
  2. また、現在の居場所づくり実証事業について、実証終了後の継続性をどのように考えているのか、伺います。

7-1-3-2 答弁 <総合戦略部長>

お答えいたします。
今年度末を目途に策定する「拠点・居場所の整備方針」につきましては現在,庁内にプロジェクトチームを設置して検討を進めており,今回の居場所の実証事業のほか,居場所に関する村内現況調査やアンケート調査などを実施しているところでございます。
今後,これらの結果から得られる成果や課題を踏まえてまとめてまいりたいと考えておりますが,環境整備といったハード面だけではなく,居場所の周知や担い手の育成,運営方法など,ソフト面も含めて位置付けていきたいと考えております。
次に,居場所の実証事業終了後の継続についてでございますが,今回の夏休み期間での実証を通じて“利用の広がりや定着”が見られ,一定の手応えを感じているところでございます。
今後は,10月に平日放課後の実証を予定しているところではありますが,すでに中高生の居場所として認知されてきておりますので,10月の実証事業終了後もこの流れを途切れることなく,必要な改善を加えながら継続して実施していくことを検討しているところでございます。
以上でございます。

7-1-4 最後のまとめの発言

本日の答弁を通じて、居場所づくりにおいては、施設などのハード面だけでなく、担い手の育成や運営方法といったソフト面も含めて整備方針に位置付けていくことを確認できました。
また、実証事業についても、その流れを途切れさせることなく、改善を重ねながら継続していく方向で検討していることを確認できました。
私は、この取組で大切なのは、行政が居場所を「与える」ことではなく、若者、ユースワーカー、地域の大人など、多様な人たちが関わりながら、共に育てていける環境をつくることだと考えます。
今回生まれ始めている担い手や関係性を一過性のものにせず、若者の「こえ」を起点に、地域の中で居場所が育ち続けていくための条件を整えていただくことを期待し、次の質問に移ります。


7-2 地域福祉を支える地域の担い手


7-2-1-1 最初の質問(初問)

次に、地域福祉を支える地域の担い手について伺います。
**地域の支え合いがますます重要となる中、**行政のみですべてのサービス需要に応えていくことは難しくなっていると考えます。
先日、産後ケア施設「やわらかい風」の取組を知る機会がありました。
同施設は、行政の制度だけでは対応しきれない多様なニーズに対して、民間が主体的に取り組んでいる事例として印象に残りました。
私はこの事例を通じて、地域課題への対応においては、制度や施設の整備だけでなく、それを支える人材や団体との関わりが重要なのではないかと感じました。
本村においても、高齢者福祉、子育て支援、見守り活動など、多様な福祉ニーズへの対応が求められております。
一方で、人口減少や担い手不足の中、行政だけですべてを担うことは年々難しくなっていくことが想定されます。
地域福祉の持続性は、単に行政の制度や施設を維持することだけでなく、
地域団体や民間事業者、
そして住民などの担い手が継続的に関わり、
地域の中で支援の営みが続いていくことによって
支えられるものと認識しております。
そこで、3点伺います。

  1. 村は、地域福祉が持続している状態とは、どのような状態と考えるか、伺います。
  2. 地域福祉が持続している状態を、どのような指標や方法によって把握しようとしているのか、 伺います。
  3. 地域福祉の持続性を支える存在として、地域団体、民間事業者、住民などの担い手をどのように位置付けているのか、伺います。

7-2-1-2 答弁 <福祉部長>

お答えいたします。
1点目の「地域福祉が持続している状態」ですが,村では「行政が福祉サービスを提供するだけではなく,住民,地域団体,民間事業者,社会福祉協議会など,地域に関わる多様な主体が互いを尊重しながらそれぞれの役割を担うことで,地域における支え合い活動が重層的・継続的に行われる状態」であると認識しております。
次に2点目の「評価指標」ですが,支え合いの意識や体制がどう醸成され,地域福祉がどう進展しているのかを評価・分析しなければならない「地域福祉計画」では,単に「事業数」や「地域活動への参加者数」,「担い手の人数」など定量的な指標だけでは評価できません。
そこで,定量評価に加え「地域活動の実施状況」「意識の高まりや参加の広がり」「地域におけるつながりの変化」「住民や関係団体との連携状況」「地域ごとの特性」など複数の視点から,地域福祉の推進状況を定性的に分析することとしているほか,住民アンケートの結果の推移も踏まえております。これらの結果を「地域福祉計画推進会議」に諮りながら,取組の改善等につなげているところです。
3点目の地域団体,民間事業者,住民など「担い手の位置づけ」ですが,「地域福祉計画」ではこれらの方々を,「単に行政を補完していただく存在」ではなく,それぞれが持つ知識や経験,地域とのつながりなどを生かし,「地域福祉をともに支えてくださる主体・パートナー」であると認識しております。
村といたしましては,こうした多様な主体が無理なく地域福祉に関わることができるよう,活動の情報発信や参加のきっかけづくり,地域のつながりを生む場の充実,それぞれの地域福祉活動への支援などを進め,「地域の力」を高めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

7-2-2-1 再質問

地域福祉の持続性について、行政のみではなく、多様な主体による支え合いが継続している状態であること、また担い手を行政の補完ではなく、地域福祉をともに支える主体・パートナーとして位置付けていることを理解いたしました。
地域団体や民間事業者、住民を主体・パートナーとして位置付けるのであれば、行政との役割分担の在り方が重要になると考えます。
そこで再質問として、1点伺います。

  1. 地域福祉の持続性を高めるために、行政はどのような役割を担い、どのような部分を担い手の自主性や創意工夫に委ねるべきと考えているのか、村の見解を伺います。

7-2-2-2 答弁 <福祉部長>

お答えいたします。
地域福祉の持続性を高めるためには,住民,地域団体,民間事業者などが,それぞれの強みや地域とのつながりを生かし,主体的に地域づくりに関わることが重要ですので,団体等への活動支援や活動を継続できる環境の整備,団体間の調整・コーディネートなどが行政の役割であると認識しております。
具体的には,福祉サービスに関する情報提供,地域活動に関する悩みや相談への対応,地域福祉に関する普及啓発・教育活動,団体間の協議の場の設定などにより,地域の皆様の継続的な活動を支援しております。
一方,地域ごとに福祉課題は異なりますので,地域でどのような課題に取り組み,どのような方法で支え合いを進めるのか,また,活動の具体的な内容や運営手法については,地域の実情を最もよく知る住民や団体の皆様の自主性と創意工夫を尊重しております。
村といたしましては,社会福祉協議会をはじめとする関係機関と連携しながら,地域の担い手である多様な主体と協力し,地域の特性に合わせた支え合い活動を無理なく継続していただけるよう,必要な支援とつながりづくりを進めてまいります。
以上でございます。

7-2-3-1 再々質問

行政は、活動支援や環境整備、団体間の調整・コーディネートなどを担いながら、活動内容や運営手法については地域の自主性と創意工夫を尊重するとの答弁でした。
また、必要な支援とつながりづくりを進めながら、多様な主体による支え合い活動を継続していく考えについても理解いたしました。
一方で、地域福祉の持続性を考える上では、活動の数や参加人数だけでは十分ではありません。
新たな担い手が生まれ、活動が継続し、地域における支え合いの輪が広がっているかどうかも重要だと考えます。
そこで再々質問として、1点伺います。

  1. 地域福祉を支える担い手の参画や活動の広がりを、今後どのような変化によって把握しようとしているのでしょうか。また、そのような変化を生み出すために、行政はどのような条件整備を重視しているのか、村の考えを伺います。

7-2-3-2 答弁 <福祉部長>

お答えいたします。
地域福祉活動の広がりを測るためには,活動に興味・関心を持つ方の参画状況,新たな団体や取組の立ち上げ状況に加え,活動上の課題や改善策の共有状況,“やりがい”の伸長具合,支援を受ける立場の皆様の声など様々な要因の変化を捉えていく必要があると考えております。
新たな活動が地域の中で生まれ,根付いていくためには,住民の皆様が福祉課題や活動に関する情報を得られること,活動を始める際に相談できること,必要に応じて協力者や関係団体とつながることができること,活動にやりがいを感じられること,支援を受ける住民の皆様が喜ばれ課題の解消や軽減につながることが重要です。
こうした動きを支える拠点機関として,東海村社会福祉協議会のボランティア・市民活動センターがあり,相談受け付け,活動に関する情報提供,活動先の紹介,団体間の調整・コーディネートなどを行っておりますが,村といたしましても,今後もセンター活動を支援し,連携を図りますとともに,効果的な情報発信を行いますことで,地域福祉の輪を大きく広げてまいりたいと考えております。
以上でございます。

7-2-4 最後のまとめの発言

本日の答弁を通じて、地域福祉の持続性は、制度やサービスそのものだけでなく、それを支える担い手の参画や地域におけるつながりによって支えられていることを改めて確認できたものと受け止めております。
また、その広がりは単に参加人数だけで測られるものではなく、活動のやりがいや支援を受ける方々の声、地域における新たなつながりの広がりといった変化の中にも表れることを確認できました。
最後に申し上げます。
今回の質問を考える中で、私は伊豆長岡で、狩野川放水路の周辺を歩く機会がありました。
そこでは多くの方が散歩し、それぞれの時間を過ごしていました。
遊歩道という空間は整備されていますが、その場所を生かしているのは、そこに集い、歩き、時間を過ごす人々の営みでした。
地域福祉についても、同じではないでしょうか。
行政は制度や仕組みを整えることができます。
しかし、地域福祉を支え続けるのは、地域の人々であり、担い手であり、日々の営みです。
今後の施策においても、制度そのものだけでなく、それを支える人と関係性を育てる視点を大切にしていただくことを期待し、次の質問に移ります。


7-3 地域産業の未来を担う人材育成と事業継承


7-3-1-1 最初の質問(初問)

最後に地域産業の未来を担う人材育成と事業継承について伺います。
地域産業は、地域経済や雇用を支える基盤であると同時に、地域の活力そのものを支える重要な存在であると認識しております。
先日、会派視察において北海道猿払村を訪問し、基幹産業であるホタテ産業について調査する機会がありました。
猿払村では、昭和30年代に資源枯渇による全面禁漁という危機を経験しながらも、村、議会、漁業協同組合が連携し、長年にわたり資源管理や漁場造成、人材確保などに取り組んだ結果として、現在の産業基盤を築いておりました。
また、基幹産業であるホタテだけではなく、夏いちごの事業化など新たな産業づくりにも取り組んでおり、既存産業を守ることと、将来に向けた新たな挑戦を両立しようとしていたことが印象に残りました。
そこでは、資源、担い手、地域経済を長期的な視点で維持し、次世代へ引き継いでいく取組が実践されていました。
つまり、産業の持続性とは、単に現在の事業を延命することではなく、次世代へと継承していく仕組みが機能している状態であると認識いたしました。
一方、本村においても人口減少や人材不足、事業承継などさまざまな課題が顕在化する中で、地域産業の持続性をどのように確保していくのかが重要な課題になっていると考えます。
そこで、次の3点について伺います。

  1. 村は、地域産業が持続している状態とは、どのような状態だと考えるか、伺います。
  2. 次世代への継承や新たな地域産業の担い手の参入といった進展を、どのような指標によって把握していくのか、伺います。
  3. 人材育成と事業継承の実現に向けて、現在の事業者や次世代の担い手をどのように位置付けているのか、伺います。

7-3-1-2 答弁 <産業部長>

お答えします。
1点目につきまして,本村では,原子力を中心とする研究・発電分野が産業基盤を支えており,今後も持続していくためには需要構造の変化や人材不足,技術継承への対応が課題だと認識しております。
このため,中長期的な需要が見込まれる原子力関連施設の廃止措置を地域企業の新たな受注や技術・人材の育成につなげていくことが重要であると考えております。
2点目につきましては,前述した廃止措置に係る需要を年平均約40億円と想定し,その半分となる年間約20億円を地域企業が獲得することを一つの指標としております。一方で,受注額のみで進展を把握できるものではないことから,本年10月に発足する新産業創造研究会において,各施設の廃止措置に必要となる工程,技術,人員等を検証し,参画企業の広がり人材の確保・育成,新技術の開発・導入,新規参入なども含め,具体的な指標を整理してまいります。
3点目につきましては,新産業創造研究会は本村だけでなく近隣自治体に立地する事業者も参加し,廃止措置市場への参入を研究していく取組みとなっており,研究会運営の過程で新たな事業者が参画する可能性もあると考えております。
このことから人材育成や産業の持続的発展のためには,既存事業者や新たな事業者など,近隣自治体を含めた地域の事業者が一体となって取り組む必要があると認識しております。
以上でございます。

7-3-2-1 再質問

廃止措置需要を地域企業の受注や人材育成につなげていく考え方、また、受注額だけでなく、新規参入や人材確保なども含めて指標を整理していくとの説明は理解いたしました。
一方で、受注額や参画企業数は取組の進捗を確認するための指標であり、その先に地域へどのような技術や人材、企業活動が残っていくのかという視点も重要ではないかと考えます。
そこで再質問として、1点伺います。

  1. 村は、廃止措置関連の受注や人材育成の取組を通じて、将来的に地域産業をどのような方向へ発展させていこうとしているのでしょうか、見解を伺います。

7-3-2-2 答弁 <産業部長>

お答えします。
廃止措置需要を地域企業の受注や人材育成にどうつなげていくかという点につきましては,廃止措置への参画を通じて培われた技術やノウハウ,人材,企業間のネットワークを地域に蓄積し,将来的には,廃止措置分野にとどまらず,関連する研究・エネルギー分野など,周辺産業のサプライチェーンへの参画可能性についても地域企業とともに検討してまいりたいと考えております。
以上でございます。

7-3-3-1 再々質問

廃止措置への参画を通じて培われた技術やノウハウ,人材,企業間ネットワークを地域に蓄積し、
将来的には研究・エネルギー分野など,周辺産業のサプライチェーンへの参画の可能性も地域企業とともに検討していくとの答弁でした。
また、地域企業が単に受注を獲得するだけでなく、その過程で得られた技術や人材、企業間連携を、将来の事業機会につなげていこうとする考え方は理解いたしました。
そこで再々質問として、1点伺います。

  1. こうした技術や人材、企業間ネットワークの蓄積を、今後どのように地域の産業基盤として定着させていこうと考えているのでしょうか、村の方針を伺います。

7-3-3-2 答弁 <産業部長>

お答えします。
地域産業基盤への定着につきましては,廃止措置への参画により,既存企業においては蓄積された技術やノウハウを活用した新たな事業展開や技術開発につながることに加え,将来的には,ベンチャー等新たな企業の創出につながる可能性もあるものと考えております。
こうした取組が事業化の段階に進んだ際には,村が既に実施している商工業支援の枠組みを活用し,ひたちなかテクノセンターのコーディネーターや中小企業診断士,国のよろず支援拠点をはじめとする支援機関と連携しながら,事業計画の策定や販路開拓,経営面での課題解決など,企業の状況に応じた伴走支援を行ってまいります。
以上でございます。

7-3-4 最後のまとめの発言

本日の議論を通じ、地域産業の持続性とは、現在の事業の単なる延命ではなく、次世代へと継承されていく仕組みが機能していることに加え、その過程で蓄積された技術や人材が次の事業機会へとつながっていくことでもあると認識いたしました。
行政だけで産業を作ることはできません。しかし、長期的な視点で資源を管理し、担い手が挑戦しやすい環境を整えることはできるはずです。

若者のサードプレイス、地域福祉、そして地域産業と、本日は3つの異なる分野について伺いましたが、
その根底にあるのは、
「行政は持続の条件をどう整えるのか」
という共通の問いであります。
単なる施設の維持、制度の維持、事業の延命から脱却し、関係性が続き、支え合いの輪が広がり、営みが続き、技術や人材が継承され、次の挑戦へとつながっていく。
そのような「真の持続性」を見据えた行政運営が求められております。

道路を整備するだけでは人は歩き出しません。人が歩きたくなる条件があってはじめて、一歩が生まれます。

若者の居場所も、地域福祉も、地域産業も、制度だけで持続するものではありません。
そこに関わる人が育ち、次の世代へ引き継がれていはじめて持続性が生まれます。
行政には、主役としてすべてを担うのではなく、人々が自ら歩み出し、関係を育み、挑戦し、
その営みを次の世代へ引き継いでいけるよう、それぞれの役割に応じて支え、
環境を整える役割を期待しております。
その視点に立ち、適切な管理と委任の境界線の設定を進めていただくことを強く期待し、私の一般質問を終わります。


※ 本ページに掲載している内容は、一般質問後に質問および答弁の要点を整理したものであり、正式な会議録ではありません。

正式な記録については、東海村議会ホームページをご確認ください。


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