令和8年第1回定例議会(3月議会) 一般質問原稿

令和8年3月12日
議席番号8番 松江秀明


冒頭挨拶


議席番号8番、新生とうかいの松江秀明です。
議長のお許しをいただきましたので、通告に基づき質問いたします。

今回の一般質問では、

  • 村の未来を歩むための 「歩きたくなるまちづくり」 の推進、
  • 住民の安心・安全を高度化する 「デジタル技術を生かした『みまもるまちづくり』」 の展開、
  • そして、地域交通の要である 「あいのりくん」の利便性向上

と、3つの課題を取り上げます。

これらのテーマは、村民の皆様がいつまでも健やかに、そして安心してこの村で暮らし続けるための「生活の質」に直結する重要な課題です。 次世代を見据えたインフラ整備と、テクノロジーを活用した見守り、そして誰一人取り残さない移動手段の確保は、これからの東海村が目指すべき 「持続可能な社会」の基盤 になると考えております。

村民の皆様の声を真摯に受け止め、行政と議会が連携しながら、より良い村づくりに向けて建設的な議論を重ねていきたいと思います。
限られた時間ではありますが、村民の皆様の安心と笑顔につながる提案となるよう、質問いたします。

どうぞよろしくお願いします。


10-1 歩きたくなるまちづくりの推進


10-1-1−1 最初の質問(現状と方針)

それでは、通告に従い三つの質問をいたします。
まず、「歩きたくなるまちづくり」の推進に関する質問です。

本村が掲げる「ウォーカブルなまちづくり、言い換えるますと、歩きたくなるまちづくり」は、単なる道路のバリアフリー化にとどまらず、村民の健康増進や賑わいの創出、そして交通事故のない安全な環境づくりを包括する、極めて重要な施策であると認識しております。

ここで私事を恐縮ながらお話しさせていただきますと、私は、免許取得以降、乗用車のハンドルを握らないペーパードライバーであります。そのため、日々の移動の基本は「歩くこと」にあります。

振り返れば2年前、議員として最初の一般質問に立った際、ウォーキングを中心とした徹底的な健康管理により、当時の体重を約半分まで減量したことをご報告いたしました。しかしながら、その後、不徳の致すところでご覧のようにリバウンドを経験いたしました。現在は改めて**「歩くこと」の重要性を身をもって再確認している最中**でございます。

現在も片道約1時間ちょっと、前回の12月議会でも取り上げさせていただいた五反田線から245号に抜ける村道も含めて徒歩通勤を継続しておりますが、実際に歩いておりますと、単なる身体的な運動効果のみならず、季節ごとの細浦の景色を眺め、季節の風を感じることで、精神的なリフレッシュや前向きな思考といった「心の健康の向上」に歩くことが大きく寄与していると実感しております。こうした実体験があるからこそ、誰もが安全に、楽しく歩ける環境の整備は、本村の幸福度を底上げする鍵になると確信しております。

一方で、既存の住宅地や通学路に目を向けますと、歩道の未整備箇所や段差、夜間の視認性など、歩行者が「歩くこと」を心から楽しめる環境には、まだ多くの課題が残されていると感じております。そのような観点から、以下に、3つ質問いたします。

  1. 五反田線等の幹線道路において、車道幅員を適正化する「ロードダイエット」により、騒音低減に資する植栽帯や滞留空間を創出することについて、どのような検討状況と見解を有するのか伺います。
  2. 幹線道路から接続する生活道路や郊外部の生活道路に歩行者の安全を確保するための具体的対策をどのように講じるのか伺います。
  3. 「健康寿命の延伸」を見据え、散歩モデルルートの策定やウオーキングイベント等、都市整備と健康政策が双方向で連携した回遊性向上策をどのように推進するのか伺います。

10-1-1-2 答弁 <建設部長 福祉部>

1つ目と2つ目について建設部からお答えします。
まず、1つ目の幹線道路につきましては、村内の主な都市計画道路が整備されてから30年以上経過していることから、車道を中心に順次改修を進めてきたところですが、歩道につきましても,「舗装の劣化」や「段差・凹凸」等の構造的な問題を抱えております。
植栽帯や滞留空間を創出することで騒音低減効果が期待できますが,一方で街路樹の繁茂や老木化に起因する交通障害や視認性の低下等の問題が指摘されております。安全で快適な歩行空間を確保することは大変重要であると考えておりますことから,現地状況の確認を行い,歩道の再整備に向けた方針の取りまとめを行っているところでございます。
2つ目の生活道路の歩行者の安全対策につきましては,村内全域を対策することが困難なことから,通学路や地域の主要道路において,歩行者空間のカラー舗装や路面標示等を実施し,歩行者の安全対策を行っているところでございます。
3点目の,「健康寿命の延伸」を見据えた回遊性向上策の推進について福祉部からお答えいたします。
現在,村内には村民が家族や仲間とウォーキングを通して健康づくりに取り組める,県指定の「いばらきヘルスロード」が9コースございます。
いずれも,歴史や文化に触れ,四季の自然を感じながら散策できるコースとなっておりまして,健康づくり事業の一環として,ヘルスロードを活用した「すこやかウォーキング」を年5回開催し,併せて、歩き方や効果的なストレッチなどを学ぶ「ウォーキング教室」や、健康アプリを活用した、健康ポイントの付与と連動する「運動習慣定着化促進事業」にも取り組んでおります。
近年は、歩道が整備された新たな公園なども新設されておりますので、議員ご提案の回遊性の向上も含めた新たなスポットの選定や開拓なども視野に入れ、引き続き健康づくりに向けたウォーキングの推奨、啓発に取り組んでまいります。
以上でございます。

10-1-2-1 再質問

1つ目の、幹線道路における「歩道の再整備に向けた方針策定」への着手、また2つ目の、生活道路での「カラー舗装等による注意喚起」など、歩行者の安全確保に向けた前向きな現状認識を伺うことができました。
また、3点目の福祉部からのご答弁においても、ヘルスロードの活用のみならず、「新たなスポットの選定や開拓」という、回遊性向上への具体的な意欲を示されたことは、私のように日々歩いている人間にとっても大変心強く、期待が膨らむものであります。

私は日々、徒歩での通勤を続けておりますが、歩き慣れた道でも、季節や時間帯によって「歩きやすさ」は刻一刻と変化いたします。部長答弁にありました「環境要因が大きく左右する」という点は、まさにその通りです。歩行者が「今日はあそこまで歩いてみよう」と思えるかどうかは、景観の美しさだけでなく、段差の少なさや夜間の明るさといった「安心感」に裏打ちされたものでなければなりません。

現在検討されている「方針策定」が、単なる机上の計画に留まることなく、実際にハンドルを握らない歩行者の目線、あるいは日々の健康維持に懸命に取り組む多くの村民の皆様の目線に立った、実効性のあるものになることを強く切望いたします。

これらの答弁を受け、拠点の整備に合わせ、そこへ至る生活道路を「歩行者ファースト」の空間へ確実に転換していくための手法と、さらなる健康増進施策との連動について、以下の2点を伺います。

  1. 物理的制約がある路線での「ソフト施策」の具体化について、ハード整備が困難な場所において、カラー舗装や照明更新、デジタル技術の活用などを組み合わせ、歩行者の安全確保をどのように具体化していく考えか伺います。
  2. 「歩きたくなる」動機付けや健康寿命延伸に向けた具体的目標について、「新たなスポットの開拓」や散歩ルートの策定が、具体的にどのように村民の運動習慣定着や健康増進に寄与すると考えているのか、関係部署との連携も含め伺います。

10-1-2-2 答弁 <建設部長、福祉部長>

1点目について建設部からお答えします。
生活道路における歩行者の安全対策につきましては、現道の幅員や周辺環境などの物理的制約から歩道の設置が困難な路線が多く、ハード整備だけで対策することが難しい状況であるものと認識しています。
議員ご指摘のように、ハード整備が困難な状況でもデジタル技術を活用することによって、歩行者の安全確保に寄与する対策となり得ることも考えられますことから、個別の状況に応じて調査・研究を進めてまいりたいと考えております。
2点目については、福祉部からお答えいたします。
ウォーキングは「最も続けやすい運動」と言われますが、実際に続くかどうかは環境要因が大きく左右すると考えます。
新しいスポットやルートの整備は、より身近な場所で取り組むことができ、新しい景観や季節の変化に触れ、飽きずに続けられることが、歩くことを習慣化し結果的に健康につながると考えます。
また、先程紹介しました、健康アプリの活用は、自身の健康情報を管理する行動が健康ポイントと連動すること、また、歴史や文化に触れ、四季の自然を感じながら歩くことが継続するための動機づけになると考えております。
さらに、村では独自に地域の商品券をインセンティブとして用意しておりますので、継続の後押しになっていると考えております。
引き続き、県や関係課が主催するイベントとの連携を図り、新しいアイデアも取り入れながら運動習慣の定着に向けて取り組んでまいります。
以上でございます。

10-1-3 最後のまとめの発言

前向きな答弁がいただけたかと思います。

物理的な制約がある生活道路において、ハード整備の限界を認めつつも、デジタル技術の活用による安全確保について「調査・研究を進める」との一歩踏み込んだ姿勢を示されたことは、今後の施策展開において重要な一歩であると評価いたします。
また、健康アプリや地域商品券といったインセンティブが、単なる運動のきっかけに留まらず、村民の「継続する力」を支えている実態についても、その有効性を認めるところであります。

「歩きたくなる」という動機付けは、単なる道づくりだけでは完結いたしません。歩行者が「自分の住む街は、どこを歩いても安全に守られている」という確信を持ててこそ、初めて習慣として定着するものであります。

デジタル技術を活用した安全対策を、道路空間という「ハード」の補完から、さらに一歩進め、村民一人ひとりの安全を多層的に支える「ソフト」としての「見守り」の視点へと広げていく。この「安全の高度化」こそが、次世代の東海村に求められる街づくりの姿であると考えます。
再々質問はありませんが、この「安全」感をデジタルのみまもる力でさらに強固にするための具体的な展開について、次の質問で深掘りしていきたいと思います。


10-2 デジタル技術を生かした「みまもるまちづくり」の展開


10-2-1-1 質問

次に、デジタル技術を生かした「みまもるまちづくり」の展開について伺います。

先の質問で議論いたしました「歩きたくなるまちづくり」を実現するためには、その大前提として、子どもから高齢者までが、昼夜を問わず心から安心して外歩きを楽しめる「高度な安全環境」が不可欠です。

本村ではこれまで、公共施設への防犯カメラ設置や青色防犯パトロールなど、アナログ・ハード両面での対策を講じてこられました。しかし、共働き世帯の増加や高齢者のひとり歩きに伴うリスクなど、社会構造が変化する中で、従来の「点」や「線」の監視だけではカバーしきれない死角が存在することも事実であります。

私は、これからの東海村が目指すべきは、最新のデジタル技術を「面」として広げ、住民を優しく、かつ確実に見守るネットワークの構築であると考えます。この「安全」感をデジタルのみまもる力でさらに強固にするための具体的な展開について、以下の3点について伺います。

  1. 他自治体の「スマート街路灯」等の先行事例を評価し、防犯・防災及び交通安全を一体的にカバーする多機能インフラを危険箇所へ導入する考えはあるか伺います。
  2. 物理的な道路拡幅が困難な狭隘道路において、センサー等のスマートインフラを活用した「非物理的な安全対策」を、村のデジタル化推進の中でどのように位置づけるのか伺います。
  3. 官民連携によるみまもりネットワークの構築と、収集データを交通安全施策や客観的な根拠に基づく政策立案へ二次利用する際の課題と今後の展望について伺います。

10-2-1-2 答弁 <村民生活部長、建設部長>

**村民生活部** から1点目と3点目についてお答えいたします。
まず1点目の、「スマート街路灯」につきましては、静岡県裾野市において令和5年度から令和6年度にかけて実施された実証実験で、防犯・防災さらには交通安全の分野において一定の効果が確認されております。
具体的には、「防犯カメラやセンサーを活用した見守り機能」、「災害時の情報提供や避難誘導機能」さらには「交通量や歩行者の動きを把握する機能」など、多様な課題を一体的にカバーできる点において、その有効性が示されているところであります。
本村でも通学路や見通しが悪い道路など複合的な対策が求められる危険箇所があり、先ほどの事例を踏まえますと、「スマート街路灯」は単なる照明設備にとどまらず、地域の安全・安心を支える多機能インフラとして有望であると認識をしております。
一方で、導入に当たりましては、「機器の設置や維持管理費用」、「通信環境の整備」、「データの取り扱い」など慎重に検討すべき点も多くございます。
したがいまして、現時点では、直ちに導入する段階には至っていないと考えておりますが、今後も引き続き先進地事例の取組や技術の成熟度に注視し、本村に適した形での活用の可能性について研究してまいります。
次に3点目の「官民連携によるみまもりネットワーク構築」と「データ利活用の課題・展望」についてお答えいたします。
兵庫県加古川市におきましては、「地域の安全・安心」と「住民のウェルビーイング向上」を目的に、見守りサービスとデータ連携基盤の広域的な活用を進めております。
具体的には、子どもや高齢者が携行する「タグの信号」を、市内外の受信機や防犯カメラで検知し、周辺自治体と連携することで、行方不明者の早期発見につなげ、自治体の境界を越えた広域的な見守り体制を構築しております。
また、加古川市が整備した「データ連携基盤」を広域で利用し、浸水センサーなどの『「防災データ」や「見守りデータ」』を、複数自治体で共有・活用する仕組みを整備することで、防災対応の高度化や地域課題の解決に資するデータの利活用を進めております。
一方で、本村におきましては、データの収集・蓄積の仕組みや、自治体間で連携できるネットワーク基盤が未整備であり、導入に向けた前提条件が整っていない状況でございます。
データの二次利用を進めるには、『「収集方法」や「データ形式の整理」、「個人情報保護への対応」、「分析体制の確保」』など、まずは基礎的な環境整備が必要となり、さらに、広域ネットワークの構築についても、『「機器整備」や「運用体制」、「費用負担の整理」』など多くの課題がございます。
本村といたしましては、国・県の動向や他自治体の取り組みを注視し、必要性や効果を慎重に判断してまいりたいと考えております。
以上でございます。

**建設部より**2点目の『狭隘道路におけるセンサー等のスマートインフラを活用』についてお答えいたします。
本村における狭隘道路は、物理的に用地買収や道路拡幅工事が困難な箇所が多数存在し、地域住民の安全確保が課題となっております。
他自治体の採用例などでは、こうした物理的制約をデジタルで解消する「スマートインフラ」として、AIカメラやセンサー、視認性の高いLED表示板などを設置して、対向車や歩行者の接近を検知し、ドライバーに早期に通知することで、事故を未然に防ぐ対策があります。
一方で既存インフラの老朽化が進む中、アスファルト舗装や防犯灯・カーブミラーの補修や更新、除草や側溝清掃などの維持管理も増大しており、自治会や地域住民の要望は依然メンテナンスが多く、「スマートインフラ」を含めると村内万遍なく整備を進めることは、現時点では難しいと考えておりますが、この対策は物理的な限界をデジタルの力で克服し、地域住民の安心安全を守る理想的な技術であることから、今後、先行事例の費用対効果、設置後の管理体制などを詳細に調査し、先端技術を活用したインフラ整備ができ> るかどうか研究してまいります。
以上でございます。

10-2-2-1 再質問

1つ目の、スマート街路灯が単なる照明を超えた「地域の安全を支える多機能インフラ」であるとの認識、また3点目の、広域連携によるデータ利活用の将来性についても、先進事例を精査された上での真摯な現状分析を伺うことができました。

特に、建設部長から「物理的な道路拡幅の限界をデジタルの力で克服するのは、理想的な技術である」との力強いお言葉をいただいたことは、今後の本村のインフラ整備における大きな指針になるものと確信しております。

一方で、導入にあたってのコスト、維持管理の負担、そしてデータ形式の整理やプライバシー保護といった実務上の高いハードルについても、執行部として重く受け止められていることを確認いたしました。

確かに、村内全域に一律に導入を図ることは財政的にも運用面でも容易ではありません。しかし、老朽化した既存インフラのメンテナンスに追われる現状があるからこそ、一箇所の灯柱で防犯・防災・交通安全を一体的にカバーできる多機能型のスマートインフラは、長期的には管理コストの集約化に寄与する可能性も秘めております。

まずはできるところから」という視点、そして「官民の力を借りる」という視点から、現実的な前進策として以下の2点を伺います。

  1. 段階的な導入(スモールスタート)の可能性について、全域導入を急ぐのではなく、まずは通学路や狭隘道路等の特定のモデル地区に限定して実証実験を行い、技術の適合性や住民の安心感を検証しながら進めるという考え方はあるか伺います。
  2. 官民連携による負担軽減の検討について、加古川市の事例のように、民間事業者のノウハウや地域のネットワークを活用し、村の財政負担や維持管理の手間を抑えつつ、持続可能な見守り体制を構築する可能性をどう捉えているか伺います。

10-2-2-2 答弁 <村民生活部長>

お答えいたします。
まず、1点目の、「スマート街路灯」の段階的な導入の考え方につきましては、議員ご指摘のとおり、通学路や狭隘道路など安全対策の優先度が高い箇所を対象に、限定的なモデル地区として取り組みを始める方法は、実際の運用や技術的な適合性を見極めるうえで有効な手法と受け止めております。
限定したモデル地区であれば、「機器の動作確認」や「周辺環境との適合性」、「住民の受け止め方」などについて、丁寧に確認することができ、「早期の検証」や「反復的改善」、「投資リスクの最小化」などの面において有効であり、「技術の進展」や「支援制度の状況」などを踏まえながら、将来の導入に当たっての手法の一つとして検討の余地があるものと認識しております。
2点目の、官民連携による負担軽減の可能性につきましては、見守りやデータ活用の分野では、民間事業者が持つ「技術力」や「運用ノウハウ」を活用することは、自治体だけでは対応が難しい部分を補完し、継続的な運用体制を整えるうえでも有効であることから、官民連携は重要な視点であると認識しております。
一方で、官民連携の形はさまざまであり、「費用負担の分担」や「データの取扱い」など、整理すべき事項も多くありますことから、民間との連携が本村にとってどのような形で有効となるのか、その受けてとなり得る事業者の有無も含めて、今後の検討課題として引き続き研究してまいります。
以上でございます。

10-2-3-1 再々質問

これまでの議論を通じて、モデル地区を限定した「スモールスタート」の有効性や、官民連携による持続可能な体制構築の重要性について、行政側と共通の認識を持つことができました。

答弁にありました「投資リスクの最小化」や「早期の検証」という視点は、変化の激しいデジタル技術を導入する上で、極めて現実的かつ合理的な判断であると評価いたします。また、民間事業者のノウハウ活用を「重要な視点」と位置づけられたことも、財政負担を抑えつつ住民サービスを高度化させるための、大きな転換点になると確信しております。

一方で、村民の皆様が求めているのは、技術的な「研究」の結果ではなく、日々の暮らしの中で「守られている」と実感できる具体的な「安心」の仕組みです。特に、通学路の安全や高齢者の見守りは、待ったなしの課題であります。質問での議論を通じて、官民連携の可能性やモデル地区での検証など、本村にとって現実的なアプローチの重要性を確認できました。

これらを単なる「研究」の段階に留めるのではなく、実際の住民サービスとしてどう形にしていくのか、中期的な展望も見据えた村としての意向と意気込みを伺います。

10-2-3-2 答弁 <村民生活部長>

お答えいたします。
議員ご指摘のとおり、「官民連携の可能性」や「モデル地区の設定」といった、現実的な進め方の重要性を改めて確認したところですが、これらの手法は、「住民の安全・安心の向上」に影響するものであることから、単に検討を重ねるだけではなく、将来的にどのような形で「住民サービスとして実現し得るのか」を視野に入れることが必要であると考えております。
答弁の繰り返しとはなりますが、導入に当たっては、「技術の成熟度」や「制度面の動向」、「財政面の見通し」さらには「運用に必要となる体制づくり」など、なお整理すべき課題が多く、現段階で具体的な導入時期や規模を申し上げられる状況にはございませんが、こうした課題を一つひとつ確認しながら、中長期的な視点を持って進めていくことが重要であると認識しております。
いずれにいたしましても、今後も「住民の安全・安心の確保」を最優先に、必要な対策を段階的に検討し、実効性のある施策の導入に努めてまいります。
以上でございます。

10-2-4 最後のまとめの発言

答弁において、スマート街路灯のモデル地区を活用した導入手法の検討や、官民連携によるデータ利活用の可能性について、現時点での課題を含め、具体的な検討の土台が示されたものと捉えております。

財政的な制約や維持管理の課題は、十分に理解するところであります。しかし、センサー技術やAIを用いた見守りは、従来の土木工事に頼らない、まさに客観的な根拠に基づく政策立案(EBPM)を実践するための強力な武器となります。

子どもや高齢者といった住民を「技術の眼」で守り抜くことは、限られた資源を最大化する賢い選択です。モデル地区での検証を単なる「研究」に留めることなく、本村のデジタル化推進の柱として、スピード感を持って形にしていただくことを心より期待いたします。

誰もが安心して歩み暮らしていける「みまもるまちづくり」の展開は、住み続けたい村、選ばれる村としての大きな価値となります。

こうした「安全な歩行環境」の整備と「デジタルの見守り」が整ってこそ、その上を走る公共交通もまた、真に利便性の高いものへと進化できるはずです。
「歩く」ことと「見守り」、そしてそれらを補完し、暮らしの足を支える「移動」の仕組みについて観点を移し、最後の質問に移ります。


10-3 あいのりくんの利便性向上による地域交通の整備


10-3-1-1 質問

最後に、「あいのりくんの利便性向上による地域交通の整備」についての質問です。

本質問の冒頭から議論してまいりました「歩きたくなるまちづくり」と、それを支える「デジタルの見守り」は、住環境の質を高める車の両輪であります。しかし、これら二つの施策を真に機能させ、村民の暮らしを支えるためには、広域的な移動を支える公共交通という「足」の確保が不可欠です。

デマンド型乗合タクシー「あいのりくん」は、通院や買い物など、村民の日常生活を支える極めて重要な生命線となっております。
昨晩、地域の皆様と意見を交わす中で改めて実感いたしましたのは、この「移動の自由」が、高齢者の外出機会を創出し、健康寿命の延伸や孤独感の解消にどれほど大きな役割を果たしているかということであります。

一方で、利用が広がるにつれ、予約の集中や世代間でのデジタルデ格差など、解決すべき新たな課題も浮き彫りになっております。誰もが気兼ねなく、かつ公平に利用できる体制を構築することは、本村の持続可能性を担保する上での最優先課題の一つと考えます。

そこで、デマンド型乗合タクシー「あいのりくん」の現状と課題を整理し、デジタル技術を生かした利便性向上と公平な地域交通の確保について、以下の3点について伺います。

  1. 運用後に発生している新たな課題について伺います。
  2. 予約集中の緩和に向けた「スマホアプリ予約」導入の状況と、データ分析に基づく効率的な配車・ルート策定の仕組みづくりの見通しはどうなっているか伺います。
  3. 先進の情報通信技術を最大限活用し、利便性と公平性を高い水準で両立させる、本村独自の次世代型地域公共交通のビジョンについて伺います。

10-3-1-2 答弁 <産業部長>

お答えいたします。
まず、1点目の「新たな課題」ではございませんが、1日あたり乗車人数の増加といった効果の一方で、更なる利用者の増加に伴い、時間帯によって即時予約が取りにくい状況が引き続き課題となっております。
次にスマホアプリや公式LINEからの利用予約は、本年1月に27%となっており、運用開始から増加傾向となっております。また、先の課題であるピーク時の即時予約への対応として、令和8年度に、予約確定後も乗車直前まで車両配置を最適化できる機能を追加し、配車効率の向上を図ってまいります。
最後に、本村の交通ビジョンですが、令和7年度末に「地域公共交通計画」の更新を予定しており、AI配車システムの高度化に加え、新たな移動手段や先進技術の活用も視野に、利便性と公平性を両立する持続可能な地域交通体の構築を目指してまいります。
以上でございます。

10-3-2-1 再質問

アプリ予約の浸透や、R8年度に導入予定の車両配置最適化機能など、デジタル技術が現場の効率性と公平性を支える基盤となっていく方向性を確認いたしました

一方で、利用者が増加し続ける中での「即時予約」の取りにくさは、村民の利便性における最大の壁となっております。既存のリソースの中でAI配車がどれほど最適化されたとしても、供給側の体制見直しやルートの柔軟な開拓が伴わなければ、真の利便性向上には繋がりません。

そこで、データから導き出される「次の一手」について、以下の2点を伺います。

  1. データ分析に基づく「供給(車両・ルート)の最適化」について、アプリ等から得られるデータ分析の結果を、具体的にどのように運行本数やルートの見直し、あるいは効率的な車両配置に反映させていくのか伺います。
  2. 利用増加に伴う「予約の公平性」の確保についてアプリ予約を促進する一方で、電話予約が唯一の手段である方や、真に移動手段を必要とする交通弱者が不利益を被らないための、運用上の考え方やシステム上の工夫を伺います。

10-3-2-2 答弁 <産業部長>

お答えいたします。
1点目の車両およびルートの最適化については、AIによる自動配車機能を活用し、日々の運行データを蓄積・分析し利用が集中する時間帯を把握、輸送人数や配車台数を最大化できるシフト体制に見直すなどの改善を実施しております。
2点目の予約の公平性につきましては、アプリ予約の利便性を高めつつも、電話予約の利用者が不利益を被らないよう、運用・システムの両面から配慮しております。事前予約においては、アプリ・電話ともにほぼ100%のマッチング率を維持しており、予約手段による優先順位の差はございません。「即時予約」についても、アプリ・電話ともに同一のAI配車システムで公平に処理されています。
なお、AI配車の導入により電話対応時間が短縮され、電話がつながりにくい状況もほぼ解消しております。
以上でございます。

10-3-3-1 再々質問

答弁から、前予約における高いマッチング率の維持や、電話対応の効率化など、デジタル技術が着実に運用の適正化に寄与している現状は理解いたしました。

しかしながら、我々が目指すべきは、単に「システムが公平に処理している」という管理側の論理ではなく、村民が「乗りたい時に、当たり前のように乗れる」という、利用者側の実感を伴った利便性の追求であります。

現在、事前予約が順調である一方で、当日の「即時予約」が取りにくいという実態は、裏を返せば、村民の皆様が「もっと自由に、もっと活動的に移動したい」と願っている何よりの証拠であります。この潜在的な移動需要を、単にAIの計算上の最適化だけで処理するのではなく、村の交通網全体のキャパシティを底上げする「仕組み」として捉え直すべきではないでしょうか。

令和7年度末に予定されている「地域公共交通計画」の更新は、まさにその正念場となります。
最新技術の活用はもとより、デマンドタクシーに留まらない多様な移動手段の組み合わせも含め、誰もが「できるだけ待たずに、行きたい場所へ確実に行ける」本村独自の公共交通をどう確立させていくのか。

次世代を見据えた、村としての強い決意と意気込みを伺います。
「次世代型地域公共交通」の将来像について

  • 令和7年度末に予定されている計画更新に向け、誰もが「できるだけ待たずに、行きたい場所へ確実に行ける」本村独自の公共交通をどう確立させていくのか、村としての意気込みを伺います。

10-3-3-2 答弁 <産業部長>

お答えします。
令和7年度末に予定している地域公共交通計画の更新に向けては、AIによる配車やデータ分析など最新技術の活用を進めるとともに、デマンドタクシー以外の移動資源の有効活用を視野に入れた公共交通ネットワークの構築を進めていきたいと考えております。
以上でございます。

10-3-4 最後のまとめの発言

答弁に次期計画の更新に向け、AI配車の高度化に留まらず、デマンドタクシー以外の移動資源の有効活用までを視野に入れた「公共交通ネットワークの構築」に言及されたことは、今後の地域交通の在り方を抜本的に見直す一歩になると期待いたします。

今回の一般質問を通じ、私は「歩きたくなるまちづくり」「デジタルの見守り」、そして「あいのりくんの利便性向上」の3つの柱について議論を展開してまいりました。

これらは個別の施策ではなく、村民が自らの足で歩き、テクノロジーに守られ、そして必要な時には自在に移動できるという、本村が目指すべき「持続可能な暮らし」を実現するための三位一体の循環であります。

こうした循環を「実装」し、村民一人ひとりの「ウェルビーイング」、すなわち心身ともに満たされた幸福感を高めていくことこそが、デジタル化やインフラ整備の真の目的であると考えます。

最後になりますが、本村には他市町村にはない国内屈指の科学技術・研究基盤が集積しており、産業振興ビジョンにおいても、村レベルを超えた極めて強固な予算枠を確保しております。この東海村にしかない強みを最大限に活かせるポテンシャルを背景に持つ東海村だからこそ、もはや他自治体の先行事例を後追いする段階ではありません。

これからの東海村には、先行自治体の後追いをするのではなく、デジタル技術を住民の幸福へと昇華させる「フロントランナー」であることを強く期待します。

誰もが、子どもからお年寄りまで、安心して歩み、暮らし、そして「あいのりくん」のような移動手段を自在に生かせる「スマートで温かい東海村」の実現に向け、本質問での内容が真摯に検討されることを強く期待し、私の一般質問を終わります。


※ 本ページに掲載している内容は、一般質問後に質問および答弁の要点を整理したものであり、正式な会議録ではありません。 

正式な記録については、東海村議会ホームページをご確認ください。